広島の中村奨成が9月15日のヤクルト戦で、今季117打席目にして待望の1号2ランを放ちました。4―0の2回2死一塁、吉村貢司郎の初球のカーブを振り抜き、左翼席中段へ運びました。1軍での本塁打は昨年9月23日の巨人戦以来357日ぶり。9回にも、代走盗塁の日本新記録を決めた辰見鴻之介を適時二塁打で返し、2安打3打点で9―4の勝利を支えました。
昨季は104試合、打率2割8分2厘と自己最高のシーズンを送りましたが、今季は開幕戦から不振が続き、3度のファーム調整を経験しました。今回の本塁打は初球の変化球に自然に反応し、強く振り抜けた一打です。本人が「遅いぐらい」と受け止めていることからも、一発で満足するのではなく、遅れを取り戻したい意識がうかがえます。
苦しい期間を経ても打撃を修正し、試合を決める長打を二つ放てたことは大きな前進です。2回の本塁打は先発投手を早期降板へ追い込み、9回の二塁打は2点差に迫られた試合を再び広島へ引き寄せました。長打力を持つ中村奨が安定すれば、打線の得点手段が増えます。
1試合の2安打だけで完全復調とは判断できません。春先からの不振が長かっただけに、速球への対応、選球、守備を含めた総合的な貢献を継続して示す必要があります。今季の残り試合が限られる中で、相手の対策が進んだ後も同じ打撃ができるかは不確実です。
初球から仕留める積極性と、打つポイントを前に置く形を維持できるかが焦点です。先発出場を増やし、複数試合にわたって長打と出塁を積み上げ、来季の定位置争いにつなげられるか注目です。
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