広島の辰見鴻之介が中日戦の七回に代走で出場し、二盗を決めた。一度はアウト判定だったが、新井監督のリクエスト後にセーフへ覆り、1979年の藤瀬史朗(近鉄)が持つ代走でのシーズン最多25盗塁に並んだ。4度のけん制を受けるほど警戒される中でスタートを切り、ヘッドスライディングした左手がタッチよりわずかに早くベースへ届いた。直後に坂倉将吾の適時打で生還し、記録が貴重な追加点にも結びついた。
辰見は楽天時代の昨季、二軍で31盗塁を記録した一方、一軍3年間では盗塁がなかった。広島移籍後は赤松真人外野守備走塁コーチと取り組み、足から滑る形をヘッドスライディングへ変更。相手のタッチを遠ざける技術を磨いてきた。今季は代走以外も含め32企図26成功、成功率81.25%。絶対的な速さに準備と勇気が加わり、一軍で専門性を発揮している。
現役ドラフト加入選手が明確な武器で歴史的記録に並び、得点まで生み出したのは明るい話題だ。相手が分かっていても止めにくい走力は、終盤の接戦で打線とは別の得点ルートになる。
ヘッドスライディングは接触や擦過傷などの負担もあり、成功率だけで安全性を評価できない。赤松コーチも技術面には伸びしろがあるとみており、速さに頼り切らない精度向上が必要だ。
単独新記録となる26個目の代走盗塁に加え、警戒がさらに強まる中で成功率を保ち、盗塁を得点へ結びつけられるかを見守りたい。
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