広島の辰見鴻之介が中日戦の七回、モンテロの代走で出場し二盗を決めた。一度はアウト判定だったが、本人は成功を確信してベンチへリクエストを求め、映像確認後にセーフへ変更。今季26盗塁目、代走としては25個目となり、1979年の藤瀬史朗(近鉄)が持つプロ野球記録に並んだ。続く坂倉将吾の適時二塁打で今季13得点目を記録し、チームの5―2での逆転勝ちと2カードぶりの勝ち越しに貢献した。
広島移籍後、辰見はヘッドスライディングを解禁し、赤松真人外野守備走塁コーチと技術を磨いてきた。この日もけん制で逆を突かれて気持ちが先走りかけたが、赤松コーチの声かけで落ち着きを取り戻したという。本人が代走の仕事を「本塁を踏むこと」と捉え、盗塁を手段と位置づけている点は重要だ。記録に並んでも、スタートもスライディングも改善できるという姿勢を崩していない。
武器が相手に知れ渡った後も走れていることに価値がある。辰見の足が一つ先の塁を奪い、坂倉の一打で得点になる流れは、少ない好機をものにしたいチームにとって強力だ。現役ドラフトから役割を確立した歩みも、選手層を広げる成功例といえる。
ヘッドスライディングは負傷リスクと隣り合わせで、記録を急ぐことが最優先ではない。CS争いも他球団の結果に左右され、記事時点の順位差だけで先行きを楽観はできない。
残り試合で単独新記録へ進めるか、さらに厳しい警戒の中でも安全性と成功率を保ち、盗塁を得点へ変えられるかに注目したい。
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