血だらけになったユニホームを着替えてから、再びマウンドに上がった。体は万全であるわけがない。緊張と集中力でカバーして投げ続けた。そんな壮絶な経験したのが前広島監督で野球評論家の佐々岡真司氏だ。1994年4月13日。舞台は広島市民球場だった。気がついた時にはヤクルトの外国人選手ジェラルド・クラークが突進してきた。その後はもう“地獄絵図”。トレーナーに引きずり出されて、ようやく助かった状況だった。