カープに欠かせない“足のスペシャリスト”が、復帰へ向けて動き出した。辰見鴻之介内野手が6月24日、広島・廿日市市内の大野練習場でリハビリを開始した。
辰見は20日のヤクルト戦で代走として出場し、7回無死一塁から二盗を成功させた。だが、その際のヘッドスライディングで左膝を強打。22日に広島市内の病院で左膝内側側副じん帯損傷と診断され、23日に出場選手登録を抹消された。
悔しい離脱ではある。それでも、辰見が今季のカープに与えてきたインパクトは大きい。ここまでリーグ3位の16盗塁。終盤の勝負どころで送り出される代走の切り札として、相手バッテリーに重圧をかけ、ベンチに選択肢をもたらしてきた。
盗塁は、ただ足が速いだけでは決まらない。スタートの勇気、投手の癖を読む力、アウトになれば流れを失う場面で走り切る精神力が必要になる。辰見はそのすべてを武器にして、一軍の中で自分の居場所をつかんできた。
今回の負傷は、チームにとっても痛い。接戦が続くシーズンでは、1つの盗塁、1つの進塁が勝敗を分ける。辰見がいることで、カープの攻撃には“次の塁を奪う怖さ”が生まれていた。
この日はウェートトレーニングなどで汗を流し、ランメニューは週末にも再開する予定だという。本人も早期の一軍復帰を目指して前を向いている。焦りは禁物だが、万全の状態で戻ってくれば、また試合終盤の空気を変える存在になれる。
育成からはい上がり、代走の切り札として一軍に欠かせない選手となった辰見鴻之介。左膝の負傷を乗り越え、再び赤いユニフォームでダイヤモンドを駆け抜ける日を待ちたい。
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